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入院するひと・看病すること

大事な話があるから家にきて。
電話? 電話じゃできない話なのよっ!

と母からの電話があって。
知った、父の癌。

電話以前に、父は勤務中に倒れて病院へ搬送され、原因が分からないからと母が転院させ、やっと分かったのは腎臓にある癌でした。

妹は関西方面に嫁いだあとだったので、私と母が看病をすることになりました。
私も結婚していて、実家までは自動車で50分ほどの距離に住んでいました。
が、そんな距離はあまり大したことではありませんでした。
子どもが2人いましたが、幼稚園に入る前だったので、制約はありません。
朝夫を送り出せば自由だし、夫は大人だから1人でほっといても大丈夫ですしね。

気丈に見えても、なかなかほかに頼りになる人間がいなかった母にとって、幼児連れの私はうるさいだけかもと心配しましたが、杞憂におわりました。
子どもは病院には連れて行きませんから、母と私が交互に病院に通いました。
家で幼児の相手をするというのは、母にとって気分転換になったようですし、私も同じ。

父は1人で癌だという宣告を受けてしまい、動揺してすぐに帰宅しなかったり、
親戚からは「病院を選べ」と言われ、そんな大げさなことに父は耐えられないと母は悩み
「悪性の腫瘍」イコール「癌」ということを理解していない多くの親戚や友人に、私と母は驚かされ対応に困りました。
「腫瘍」と表現されると、「癌ではない」と思いこむ人が多いようですね。

正直に言ってしまえば。
当時の私は、母と夫と妹の言葉くらいしか受け付けられませんでした。
普段から仲良くしていたいとこたちから、心配する電話などももらいましたが、ありがとうと答えながら、電話を受けること、明るく答えることは私にとって煩わしいことでしかありませんでした。
心配してもらえることは有り難いことですが、
ありがとうとお礼を言って、こんな具合だと教えていると、
「(心配していたけれど)思ったより元気そうだね」
なんて言われるんですよね。
平気な筈はないですよ。
末期じゃないけれど、初期の癌でもないし、父親が入院しているのですからね。
でも電話でいちいちその不安を語ってもどうにもならない、何が変わるわけでない、喋って気力や体力を余計に消耗するだけのことだ、
としか私には思えず、ほかにどう対応していいのか思い浮かばなかったので(電話している気分じゃないのよ、と電話を切るのはあまりにも素っ気なく、ひどいと思いました)そのままにしましたが。

そういうこともありましたが。
看病自体はそんなに大変なことではありませんでした。
私は最初から最後まで付き合ったというわけではないこともあるでしょうが、家にも病人にも女手があるのでお互い楽だったのだと思います。
それでも、父がいないというのは妙なわびしさがあって、しんみりとした雰囲気が。
それを救ってくれたのが子供たちだったでしょうか。

結果的には、腎臓を一つ摘出した父は、今でも存命です。
幼稚園に入っていなかった息子が今では高校1年生なのですから、安心と受け取っていいと思います。

……
敬愛する作家さんが入院なさって数日が過ぎました。
看病なさっている方のご様子をちらりと知って、昔の体験を思い出したので、たぶん以前にも記事にした記憶がありましたが、書いてみました。
私の父が手術をしたのは今のような季節でした。
家族の存在を支えとしながら、しんみりしたり力づけられたり。
どうぞ元気なお知らせをいただけますように。

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